壊したメガネ...。 [感謝(4)有り難うございました。]
(昨日の続きです。)
今から「○十年程」前の事です。
東京で一人暮らしを始めたばかりの、ある日...。
うっかり、メガネを壊してしまいました...。
(@_@;) 絶句...。
一人暮らしを始めたばかりです...。
「お金の余裕が、全く無い」どころか、
「次の給料日までの食費」も「危ない状態」で...。
又、、私の「その」経済状態は、
「クレジットカード」を持つ事等、「夢のまた夢」の頃です...。
更に、メガネが、今の様に、
「安価」で手に入る時代では無かった頃です...。
メガネを壊したその日は、
「少し大きい会場」でのコンサートでした。
(「気の張る内容の」コンサートでした...。)
思わず、家を飛び出した私...。
「運転免許証」を持って...。
目指すは、「近所で一番大きな」メガネ屋さん...。
引越して来たばかりで、
「近所の何処に何が有るか」を把握して無い状態でしたし、
ましてや、「メガネ無し」の状態では、
「大きな看板のお店」しか解りませんでした...。
そのお店のカウンターで、恥を承知で、こう告げました...。
「今度の給料日には、必ず払いに来ますから、
メガネを作って頂けませんか?
これ、私の「身分証明」の為の、運転免許証です...。」
こう言いながら、運転免許証を差し出す私...。
しかし...。
「それは、ちょっと...。」と、困った表情の、店員さん...。
それは、そうです。
「予想通り」の対応でした...。
でも、私自身が考えても、「これが当然」の対応で...。
「すいません、無理を言いました...。」と言い、
そのお店を後にすると、「うろ覚え」の記憶の中、
もう一軒、別のメガネ屋さんへ駆け出す私...。
しかし、そこでも...。
同じ対応で...。
「しょうがない、今日からしばらくは、メガネ無しで過ごすか...。」
と諦め始めたその時、
もう1軒、メガネ屋さんが、在った事を思い出し駆け出す私...。
勿論、同じ対応を「覚悟」して...。
しかし...。
しかし...。
しかし...。
そのメガネ屋さんの対応は、それまでとは、全く違う物でした...。
「良いですよ。作りましょう!」と言うと、
そこの御主人、早速「検眼」を始めて下さり、
「即行で」メガネを作って下さいました。
安堵する私...。
でも、しかし...。
その御主人、まだ「運転免許証」を書き写して居ません。
いや、それどころか、
まだ、「それを」見る事すら、して居ません...。
私が、
「運転免許証を書き写して下さい。」
と話すと、その御主人は、
「良いです。信頼してるから。」
とだけ...。
有り難かったです、本当に...。
嬉しかったです、本当に...。
一人暮らしを始めたばかりの、「東京」で...。
こう言う方に「出逢う」、いや「出逢える」なんて...。
お礼を申し上げ、「その仕事の為」に、急ぐ私...。
その日は、演奏中、ずっと「心の中が、とっても温かくて」...。
自分で言うのも何ですが、何だかとても良い演奏が出来て居る様な、
そんな気分で、演奏させて頂きました...。
勿論、給料日には、「即!」支払いに伺わせて頂きました...。
それに、その場所を引っ越すまで何度も、「メガネ」を作らせて頂き...。
それから数年後、ヤマハから、
「メガネだと、どうしても「真面目/神経質なイメージ」に、
「拍車」を掛けるから、コンタクトにして下さい。」
と言われた時も、ずっとメガネで通したのは、
そのメガネ屋さんでは、コンタクトを販売しておらず、
メガネの取り扱いしか無かったからです...。
{み}